コラム
糖質だけに絞ってみると果物の摂りすぎはNG?
以前(2022年6月号)、食事における糖質OFFのお話をしました。そのなかで果物については触れていなかったので、新たにフルーツについて考えてみることにします。
糖質という一点だけに絞ると果物の摂りすぎはNGなのかもしれません。果物が持つ果糖は甘味がとても強いものです。は甘味がとても強いものです。しかし、果物に備わるその他の栄養素をじっくり見てみると、果糖摂取のリスク以上に体の大きな味方となってくれる成分が豊富なことがわかります。さらに果物には、香りや色、味など、私たちの心まですっきりしてくれたり、リラックスさせてくれたりする力が詰まっています。今回は甘味以外の部分に着目して、果物の魅力を考えてみたいと思います。
果物は抗酸化に優れたビタミンCの宝庫!
果物と言えば、ビタミンC! そんなイメージが定着しているのではないでしょうか。ビタミンCは体内で作ることができないため、野菜や果物から摂取しなければならない成分です。抗酸化作用が非常に高く、新鮮な野菜や果物が十分に手に入らなかった時代、病気を予防する不可欠な栄養素としてオレンジ果汁から発見され、重宝されてきた歴史があります。
我が家ではキウイやイチゴ、パイナップルなどのフルーツをスムージーに入れたり、ヨーグルトに入れたり、またオートミールと合わせたりするのが食卓でのルーティーンの一つ。四季折々のフルーツも積極的にいただきますが、年中出回るキウイやオレンジは、ビタミンCの宝庫です。一番手軽なのはサラダ! いつものサラダにフルーツを一つプラスすれば、あとは塩こしょうとオイルを垂らすだけで見た目にも華やかなサラダに変身してくれます。
砂糖やみりん代わりにリンゴのすり下ろしを
さらに私は、甘味と酸味の調味料としてよく果物を使うように心がけています。リンゴをすり下ろせば砂糖やみりん代わりに、パイナップルやブドウも調味料の代わりに利用すると香りが加わり、コクもアップします。ある時、肉じゃがに甘味を加えたくて、砂糖やみりんの代わりにリンゴのすり下ろしを入れてみたら大反響をいただきました。絶妙な酸味と甘味のバランスが加わることで、全体を優しい味にまとめてくれます。
糖質の話に戻りますが、果物は糖質だけを含んでいるわけではなく、血糖値の急上昇を防ぐ食物繊維や、先にお話ししたビタミン類などがとても豊富です。食べ過ぎはもちろんNGですが、果糖はお菓子のように単体の砂糖を含んだものよりはとっても優秀。体に欠かせない食材ですから、ぜひ食卓に取り入れて欲しいと思います。
特製レシピをご紹介
フルーツの甘味だけでいただく
フルーツのテリーヌ風
材料(2〜3人前)
スイカ | …皮を剥いて200g程度 |
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甘夏 | …皮を剥いて100g程度 |
寒天 | …6g |
水 | …300g |
作り方
- スイカは表面の緑の皮を剥いて、1cm角に切り分ける。甘夏は皮を剥き、スイカ同様に切り分ける。
- 型(皿でも代用可)は水で濡らしておく。
※できあがったテリーヌが型から外しやすくなります。 - 小鍋に寒天と、分量の水を入れて混ぜ合わせる。しっかりと沸騰させたら火を止め、湯気を落ち着かせる。
- ①でカットしたフルーツを型に並べ、その上から③の寒天を流し入れたら冷蔵庫で冷やし固める。
食材の栄養素ポイント
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スイカ
カリウムが果肉や種子に多く含まれ、疲労回復や利尿作用があるとされています。夏の暑さで衰えた身体に優しく、夏バテに効果がある食材の一つです。
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オレンジ
ビタミンCをはじめ、さまざまなミネラルやビタミン類が含まれており、生活習慣病の予防やストレスの緩和、風邪の予防、美肌などの効果があると言われています。