甲状腺と女性の薄毛の関係
公開日2015.02.27
更新日2023.05.08
「髪は女性のいのち」と言われ、豊かな髪は女性美の象徴ですが、最近は薄毛に悩む女性が増えています。そんな女性の薄毛が治るカギを握っているのが「甲状腺」です。あなたの薄毛も改善できるかもしれません。
目次
- 甲状腺ホルモンと発毛の関係
- 甲状腺ホルモンが減る原因は?
- 女性に多い甲状腺機能低下症
- 改善するには治療が必要
- 甲状腺機能低下症でなかった女性のための薄毛対策
甲状腺ホルモンと発毛の関係
甲状腺は、喉の前面に位置する内臓で、大きさは3~4㎝くらい。チョウチョのような形をしています。とても小さな臓器ですが、重要な役割を担っています。甲状腺は、脳からの指令を受けて、甲状腺ホルモンを分泌します。このホルモンはヨウ素(ヨード)を主成分としており、全身の細胞の代謝を促して、あらゆる臓器の細胞を生まれ変わらせる働きをします。さらに髪をつくる毛母細胞を活性化させる働きをもっています。
まさに、いのちを支える重要なホルモンです。それだけに、少しでも分泌量が減ると、心臓などの重要な臓器に優先的に配分されるため、髪への補給は滞りがちになります。それが薄毛を引き起こす原因です。
甲状腺ホルモンが減る原因は?
甲状腺ホルモンが減少するのは、加齢が原因とも、女性に特有の免疫システムが影響しているともいわれますが、はっきりとはわかっていません。しかし、新陳代謝に深い関わりがあるということは、甲状腺ホルモンは、アンチエイジングとも何らかの関係があるのではないでしょうか。これからの研究成果が待たれるところです。
女性に多い甲状腺機能低下症
・目や口のまわり、手がむくむ
・疲れやすい
・皮膚がカサカサする
・寒さに弱い
・あまり食べないのに太る
普段感じる不調と重なりそうなものばかりですが、これらはすべて甲状腺不調の症状です。病名を、「甲状腺機能低下症」といい、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる病気です。女性に発症することが多いのも特徴です。薄毛に悩む女性の中で、甲状腺機能低下症の人はだいたい10人にひとりの割合です。
改善するには治療が必要
女性がこの病気にかかると、1日に300本~400本毛が抜ける場合もあり、必然的に薄毛が進行していきます。甲状腺ホルモンが減少すると、髪の毛は細く、弱くなって抜けていくだけでなく、脱毛したあとに髪の毛が再び生えてくるまでに長い時間を必要とするようになります。抜けやすい上に、すぐに新しい毛が生えてこないから、薄毛が進行するのです。
ただし、甲状腺機能低下症の治療薬を飲めば、かなり改善します。治療薬が甲状腺ホルモンと同じ成分だからです。甲状腺機能低下症は甲状腺の検査(血液検査)で簡単にわかるので、気になる場合は、気軽にかかりつけ医に相談するといいでしょう。皮膚科でも大丈夫です。 検査は保険が適用されます。
甲状腺機能低下症でなかった女性のための薄毛対策
甲状腺ホルモンが担っている代謝について調べてみると、「生物体がエネルギーおよび物質を外部から取り込み、化学的に変化させ、不要なものを外部に放出する反応」とあります。
毛根の周囲には毛細血管が張りめぐらされています。毛母細胞にきちんと栄養が届き、不要なものは排せつするシステムが正常に動いていれば、髪の毛の発育環境はよくなります。そのためには、血流をよくすることが大事です。
頭皮のマッサージや育毛剤の活用、ヘアケアを工夫して、血行をよくするのは、ぜひお勧めの方法。毛根までしっかり代謝活動が行き届く毛髪生活を心がけたいですね。