「髪は1日で40メートル伸びる」その“重労働”に、栄養は足りていますか?

「髪は1日で40メートル伸びる」その“重労働”に、栄養は足りていますか?

目次

「1日40メートル」という数字の根拠
髪をつくるのは、休みなく分裂を続ける「毛母細胞」
栄養が不足すると、髪に何が起こるのか
髪のために意識したい栄養素と食品
まとめ:今日の一食が、1年後の髪をつくる
よくある質問(FAQ)
Q. 栄養バランスをしっかり整えれば、抜け毛はすぐに減りますか?
Q. 食事だけで補うのが難しい場合、サプリメントで栄養を摂ってもいいですか?
Q. 髪に良い栄養を摂っていても、ストレスや睡眠不足があると意味がないのでしょうか?
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髪のケアというと、シャンプーやトリートメントなど「外側から補うもの」を思い浮かべる方が多いかもしれません。

ただ、髪そのものは体の内側でつくられています。しかもその生産量は、私たちが想像しているよりもはるかに大きなものです。

髪は1本ずつの伸びはごくわずかでも、頭全体で合計すると1日におよそ40メートル以上伸びている計算になります。25メートルプールを、髪の毛だけでおよそ1往復してしまう長さに相当します。

これほどの”仕事量”を、頭皮は毎日休みなくこなしています。その材料となる栄養が不足していたら、何が起こるでしょうか。

ご安心ください。仕組みと原因さえ理解できれば、対策は決して難しいものではありません。今日から実践できることを、順を追って整理していきます。

「1日40メートル」という数字の根拠

まず、この数字がどこから出てくるのかをご説明します。

髪の毛は1本あたり、1日に約0.4ミリ伸びるといわれています。1本だけを見れば、ごくわずかな変化です。

しかし、私たちの頭には髪の毛が約10万〜12万本生えています。

  • 0.4ミリ × 10万〜12万本 = 約40,000〜48,000ミリ
  • つまり、1日で約40〜48メートル

これだけの「長さ」を、私たちの体は毎日新しくつくり出していることになります。

髪をつくるのは、休みなく分裂を続ける「毛母細胞」

髪は、頭皮の中にある「毛根(もうこん)」でつくられます。その中心的な役割を担っているのが「毛母細胞(もうぼさいぼう)」という細胞です。

毛母細胞は、髪をつくるために細胞分裂(=新しい細胞を次々に生み出すはたらき)を盛んに繰り返しています。その隣には「毛乳頭(もうにゅうとう)」という部分があり、ここに毛細血管がつながっていて、血液によって運ばれてきた水分や栄養を取り込んでいます。

つまり、髪が伸びるということは、それだけ多くの細胞が休みなくはたらき、材料となる栄養が絶えず消費されているということです。1日40メートル分の生産を支えるには、相応の材料(栄養)が必要になります。

栄養が不足すると、髪に何が起こるのか

髪の成分の約8割は「たんぱく質」で構成されています。そのうち大半が「ケラチンたんぱく質」で、髪の強さやハリを支える成分です。

このケラチンをつくるうえで欠かせないのが「メチオニン」という栄養素(アミノ酸の一種)です。メチオニンは体内で合成できない「必須アミノ酸」に分類されます。つまり、食事から摂取する以外に補う方法がない栄養素です。

食生活が偏り、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すると、髪をつくる「新陳代謝(体の細胞が新しく生まれ変わるはたらき)」が滞りやすくなります。その結果、髪の成長サイクルである「ヘアサイクル」が乱れ、

  • 髪が細くなる、ハリ・コシが低下する
  • 抜け毛が増える
  • 髪のパサつきやツヤの低下

といった変化につながることがあると考えられています。さらに髪には自己修復機能がないため、一度受けたダメージが自然に元へ戻ることはありません

対応を後回しにしているうちに、髪全体の印象が変わってしまうこともあります。だからこそ、日々の栄養補給が重要になるのです。

髪のために意識したい栄養素と食品

ここからは、髪のために積極的に摂りたい栄養素を整理します。難しく考える必要はありません。「さまざまな食材をバランスよく」が基本です。
 

栄養素 役割(髪・頭皮にとって) 多く含む食品の例
たんぱく質(メチオニンなど) 髪の主成分ケラチンをつくる 鶏肉・牛肉・マグロ・カツオ・牛乳・チーズ・豆腐・納豆・ナッツ類
ビタミンA 皮膚の修復、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促進 にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、卵黄、うなぎ
ビタミンB群 皮膚・粘膜の発育を助ける 豚肉、卵、納豆、鮭、かつお、牛乳・ヨーグルト
ビタミンC コラーゲン生成を助け、抗酸化作用も ブロッコリー、パプリカ、キウイ、いちご、さつまいも
ビオチン ケラチンの合成に関わる 卵黄、納豆、まいたけ、落花生・アーモンド
亜鉛 皮膚の新陳代謝を活発にする かき、牛赤身肉、チーズ、納豆、ごま
葉酸 盛んに分裂する髪の成長に必須 ブロッコリー、ほうれん草、菜の花、枝豆、納豆、いちご

ここで押さえておきたいのは、たんぱく質だけを多く摂ればよいわけではないという点です。ビタミンやミネラルが不足していると、摂取したたんぱく質も十分に活用されません。「主食・主菜・副菜」がそろった食事を意識するだけでも、栄養バランスは整いやすくなります。

また、髪の材料を運ぶのは血液です。頭皮の毛細血管の巡りが滞ると、栄養が毛母細胞まで十分に届きません。ビタミンE・ビタミンC・鉄なども、血行を助ける栄養素として意識してみてください。

まとめ:今日の一食が、1年後の髪をつくる

髪は1日で約40メートルという速度でつくられ続けています。それだけの”仕事”を毎日休みなく行っている以上、材料となる栄養が不足すれば、髪や頭皮に影響が及ぶのは自然なことです。

一方で、これは前向きに捉えることもできます。日々の食事を少し見直すだけで、髪をつくる土台を支えられるということだからです。特別なことをする必要はありません。まずは「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」を意識した、バランスのよい食事から始めてみてください。今日の一食が、1年後の髪をつくります。

よくある質問(FAQ)

Q. 栄養バランスをしっかり整えれば、抜け毛はすぐに減りますか?

A. 栄養は髪をつくる非常に大切な土台となりますが、効果が目に見えるまでには少し時間が必要です。髪には「ヘアサイクル」という髪の成長周期があるため、今食べた栄養が新しい髪として伸びてくるまでに数ヵ月単位の時間がかかります。まずは焦らず、3ヵ月から半年ほど優しいケアと食事の改善を続けてみてくださいね。

Q. 食事だけで補うのが難しい場合、サプリメントで栄養を摂ってもいいですか?

A. はい、日々の食生活をサポートする補助手段としてサプリメントを活用するのはとても賢い方法です。特に亜鉛やビタミン類は食事だけで不足しがちなので、うまく取り入れると良いでしょう。ただし、基本はあくまで毎日の食事です。また、過剰摂取を避け、持病などで服用中の薬がある場合は医師や薬剤師にご相談の上で使用してください。

Q. 髪に良い栄養を摂っていても、ストレスや睡眠不足があると意味がないのでしょうか?

A. 意味がないわけではありませんが、効率が落ちてしまうことはあります。ストレスや睡眠不足は、頭皮の血管をギュッと収縮させ、せっかく摂った栄養が毛母細胞まで届きにくくなる原因になります。「あと30分早く寝る」「お風呂にゆっくり浸かる」といったリラックス習慣もセットで行うと、栄養がぐんぐん行き届きやすくなりますよ。


古谷 聖子

古谷 聖子

マイナチュレ頭皮ケア研究所 研究員
毛髪診断士®︎

20代から、自分の髪が、人よりも念入りなお手入れを必要としていることに気づく。頭皮や髪が健康になっていける方法を模索中。今のお手入れは未来のため。1日10秒でも、できることから少しずつ。頭皮ケアが当たり前の世界をつくるべく活動します。


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